この正月は子供が受験のため帰省しなかったので特にすることもなく、1月3日から映画を観に行くことにしました。
役所広司さんがカンヌ映画祭で賞をとった、ヴィム・ヴェンダース監督の「Perfect Days」です。
ヴェンダース作品らしく、映画は公衆トイレ清掃人平山の日常生活を描いて淡々と進みます。
最初の1時間くらいは、ほとんど日常生活の描写のみで特に事件は起りません。
最後に事件というより出来事という感じの事がいくつか起こりますが、それでも平山の生活に目に見える変化は起きません。
最後は「えっ、ここで終わり」という感じでエンディングとなります。
率直な感想としてはなぜ平山が今のような暮らしをするようになったのか、について多少の説明があっても良いのではないかと思いました。
それでも、決して一般的な意味で恵まれた人生とは言えないけれども、日常をルーティーンのように淡々と生き、周囲の人間とも良い距離で関わり、良い影響を与えながら生きていく平山の人生はとても魅力的に見えました。
それは私が年を取ったからかもしれないし、或いは時代の空気がそうさせているのかもしれません。
前評判通りの良い映画でした。