NOMOSANの定年準備日記

50代半ばを過ぎて、定年後を意識して始めた市民農園での野菜作りなど、様々な事柄について気のおもむくままに書いています

「日本の分断 – 切り離される非大卒若者たち」を読んで

2018年4月に出版された少し古い本ですが、日本の分断や二極化についての分析で評判になった本なので読んでみました。

 

この本では仕事に就く前の人とリタイアした人を除く、主に20代から50代の現役世代が分析の対象になっています。

現役世代をまず若年(20代、30代)と壮年(40代、50代)で分け、その後大卒/非大卒、男女で分け、最終的には下記8つに分類しています。

 

壮年大卒男性

壮年大卒女性

壮年非大卒男性

壮年非大卒女性

若年大卒男性

若年大卒女性

若年非大卒男性

若年非大卒女性

 

この8分類を人に例えて、これら8人が現役世代を支えているとして分析しています。

 

容易に想像できることですが、これら8人のうち色々な面で最も恵まれているのは壮年大卒男性です。

逆に恵まれていないのは、若年非大卒男女です。

この世代は女性の合計特殊出生率が高く、少子化に一定の歯止めをかけたり、またエッセンシャルワーカーとして働く人が多く社会に貢献しています。

女性はまだ子育て世代やシングルマザーとして取り上げられ、サポートを受けられる面があります。

しかし、男性は忘れらてサポートも少なく、社会から切り離されつつあり、にも拘らず声も上げていません。

 

筆者はこの若年非大卒男性をLightly Educated Guys (LEGS) と呼び、彼らにも目を向け決して社会から切り離してはいけないと主張しています。

自ら声をあげていないからといって、社会の一員である彼らにもっと目を向けるべきだということです。

 

筆者も述べている通り、大卒同士、非大卒同士で結婚する確率は高いのでこの分断は更に強まっていく可能性があります。

社会で重要な役割をこれから長きにわたって担い続ける彼らのことを考えるべきだという主張は最もだと思います。

しかし、では具体的にどうしたらよいかということはすぐに答えが出ません。

大卒、非大卒が交流することが更に少なくなっていく現状においては益々分断は進んでいく可能性は高くなります、

そういう意味で、色々考えさせられる本でした。