ヴィッセルは今季3人目のトルステン・フィンク監督に代わってから負けなしと好調、逆に首位争いをしていたグランパスは連敗が続き順位を下げています。
ヴィッセルは最近固定のビジャ、ウエリントンを2トップにした4-4-2です。復帰したイニエスタと山口蛍がボランチで両翼はこの試合は古橋と郷家です。
前半はブラジル人3人を中心にポゼッションで上回るグランパスが優勢に試合を進めます。トップのジョーがペナルティエリア内でもボールをキープして起点になるので、ヴィッセルは何度か危ない場面を作られます。
しかし、カウンターから左サイドを抜け出したビジャがシミッチとの一対一を制し、右足でカーブをかけたシュートをサイドネットに決めて先制します。全盛期のビジャを思わせるような得点でした。
その後もグランパスがボールを握り、ヴィッセルはビジャ中心のカウンターで応じる形で前半はヴィッセルリードで終わります。
後半も前半同様の試合内容でしたが、グランパスはジョーのエリア左でのキープからオーバーラップしてきた左サイドバックのシュートで同点に追いつき、ここから試合は打ち合いの様相を呈します。
キーパーのパンチングをエリア外で拾ったイニエスタが右足でカーブをかけたゴラッソでリードを広げますが、前節同様にGKキム・スンギョとDFの連携ミスですぐ同点に追いつかれます。
左サイドを突破しようとした郷家が倒されて得たPKをイニエスタが冷静に右隅に決めて3-2とリードしますが、再びエリア内でマークに突っ切れずにヘディングで同点に追いつかれてしまいます。
キックオフ時にあのイニエスタがチームメートを叱咤していたのは驚きでした。
点を取っても簡単に取り返される展開で、しかもグランパスの攻撃は強力なのでこのままでは逆転されるのではないかという感じでした。
しかし、DFのミスが多いのはグランパスも同様でパスミスを拾ったビジャがGKに倒されてこの日2本目のPKを獲得して自ら決めて4-3とします。
終了間際に途中出場の小川慶治朗がカウンターから中盤で見事なトラップでDf一人をかわしてゴール前まで持ち込み、右足で右上隅を抜くゴラッソで勝負を決めます。
試合後挨拶にきたイレブンに対して、スタンドから特にチーム生え抜きの小川慶治朗に対して、「ケイジロー」という声援が沢山飛んでいたのが印象的でした。
その後もグランパスの強力な攻撃陣が何度かチャンスを作りますが、キム・スンギョのファインセーブもあり、そのまま5-3で逃げ切ります。
最終的には5-3で勝ち、イニエスタとビジャも2得点というサポーターとしても満足する結果となりましたが、3-3になった時には本当にどうなる事かと思いました。
やはり相変わらず守備は緩く、グランパスの強力な攻撃陣を防げませんでした。
しかし、攻撃に関しては高さのウエリントンとビジャのコンビネーションもよく、一列下がったイニエスタのゲームメークも見事で形が出来てきたと思います。
また、両翼は攻撃だけではなく守備でも良く走り、またウエリントンも攻守に渡り献身的な働きを見せています。
このまま戦術が浸透していけば更に期待が持てそうです。
また、トルステン・フィンク監督もピッチサイドでずっと立って選手を鼓舞している姿が印象的でした。
私の中ではトルステン・フィンクといえば1998-199年チャンピョンズリーグ決勝にバイエルンミュンヘンの選手として出場し、CKからのボールを中途半端なクリアで逆転負けのきっかけを作ってしまった選手という記憶しかありませんでした。
比較的おとなしいタイプの選手が多いヴィッセルにはこういった闘将タイプの監督の方がよいのかもしれません。
ガンバも一時の不調を脱して順位も上がってきているので良い試合をした上での勝利を期待したいです。